Diary

従業員じゃなくて仲間

家具製作やデザイン以外に会社を運営するというのも俺の役割の一つだ。 

とは言えまだ20人にも満たない小さな会社をやっているだけで、べつに経営者なんて程の者ではないと自覚しているが、一応トップとしてやらなきゃならないことはある。

 

まずは「楽しそうな未来を想像してそれが叶うまでブレないこと」

あれやこれやと迷ったり引き返したりしても、それはゴールに向かうために必要な過程であって達成するまでヤリ切るということ。

 

そして最も大切にしているのは「ただの従業員ではなく、仲間になってもらうこと」

一緒に会社づくりに参加してもらって小さな成功を共に楽しんでもらう。

会社の方向性に対してテメエの都合でブーブー文句を言うクソ従業員ではなく、どうやったら最短最速で達成できるかを共に考え行動してくれる仲間だ。

 

全員参加で昼間っから呑み食いしながら無礼講で会社に対して意見を言い合う「クリエイティブDAY」なんていう日もある。

新人でも誰でも意見が言えてそれが採用されればすぐ翌日から会社が動くようにいつも心掛けている。

 

最近ではサーフィン、スノーボード、バイク、キャンプ、釣り、書道などなどそれぞれの趣味を共有して思いきり楽しむ「部活の日」なんていうのも始まって、そんな全てが良いチームをつくり良いものづくりに繋がっている。

 

サラリーマンから職人に転向してきた遠藤が言ったことがある。

「以前は会社の大きな船にただ乗ってる感覚だったけど、KOMAは小さなボートで大海原に出るのをリアルに感じる。それぞれの得意分野を活かして、方位磁石を見たりオールを漕いだり魚を釣って飯を用意する。そこにやり甲斐や楽しみを感じる」

 

そうそう。ちゃんと伝わってるなぁと思った。

 

「経営者は孤独」なんて言葉を耳にするけど、それは経営者と従業員の間に立場という垣根を作るからだろう。

 

トップとしての俺の仕事は仲間を大切にして、示した方向の責任をとるだけで特別な事じゃない。立場じゃなくてただ役割が違うだけだと思っている。

 

だからKOMAにいるのは経営者とか従業員じゃなくて、少しづつ船が大きくなってちょっと遠くに行けるようになったことを共に喜べるクルーだ。

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