Diary

鉋の練習

この1ヶ月半、毎日深夜まで時間を忘れるほど夢中になって鉋の練習をしている。
 
きっかけは大工の渡辺さんとの出会いだ。
毎年行われる鉋の全国大会でも決勝常連のスペシャリストの彼は俺と同じ歳の42歳。
彼が見せてくれた0.003ミリという薄さのカンナ屑はただの屑ではなく、突き詰められた美そのものだった。
 
「俺に鉋を教えて下さい!」
 
その日から東京と新潟で離れているがメールという文明の利器のお世話になって、ほとんど毎日、時には深夜まで俺の質問に彼が図解や動画を交えて本当に丁寧に教えてくれる日々が始まった。
砥石は何を?研ぎの順番は?刃の角度は?台の直し方は?などなど基礎からの質問に対して、彼は努力と年月を懸けて修得したノウハウを惜しむことなく伝えてくれる。
その教えを全てメモに整理して、一つ一つ実践していく毎日だ。
 
あまり簡単に感謝感謝と言うのも好きでないが、こればかりは「感謝」以外の言葉が見つからない。
 
「鉋の薄削り」という技術は大工さんが柱などを仕上げる時に使う技で家具づくりにおいて使うことはない。
しかし鉋という道具を究極まで突き詰める事で可能になる「薄削り」を身につけることは、自分の家具作りの底上げになるだろう。
そして何よりやってて楽しい!
 
こんな機会を与えてくれた彼に思いっきり腕を振るった椅子を作ってお返ししようと思っている。
 
3月には新潟の渡辺さんの工房におじゃまして直接指導してもらう予定だ。
再会できることが楽しみで仕方がない。

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